ゴールデンハムスターを冬眠から目覚めさせる際のコツと注意点

ハムスターの中でも大きい部類に入るゴールデンハムスターは、冬眠をすることでも知られています。通常、ペットとして室内で飼われているハムスターに関しては、冬眠しない種類も多いのですが、ゴールデンハムスターに関してはその飼育環境によっては、少しずつ長い冬眠準備を経て眠りにつき、やがて春の訪れと共に目を覚ますのです。

ゴールデンハムスターが冬眠状態に入ってしまった場合の特徴や、疑似冬眠との違いと、その際の正しい起こし方について知っておくのは、やはり飼い主の務めでもあります。

冬眠と疑似冬眠を見分けるためには、日々の観察がとても重要です。変化を見逃さず、ゴールデンハムスターを危険から守ることができるのは、飼い主であるあなただけだということを、まずは自覚するところから始めましょう。

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もしかしたら疑似冬眠?ゴールデンハムスターの冬眠について

種類や健康状態などによっての差はありますが、ハムスターの寿命はだいたい2年もしくは3年程度です。実際に私が小学生の頃に、初めて我が家にやってきたゴールデンハムスターも、わずか2年ほどで生涯を閉じてしまいましたが、その後飼った中には3年以上元気に生きていたケースもありましたので、やはりゴールデンハムスターの寿命には個体差が大きく影響するのだと思います。

ゴールデンハムスターが生き返った話

その当時の私はまだ、疑似冬眠という言葉の意味も知りませんでしたので、知り合いから聞かされた、冷たく動かなくなったハムスターを手でひたすら温めたら元気に戻ったという話は、まるで亡くなったあとに生き返ったような、そんな魔法みたいな出来事に感じたことを、今でもよく覚えています。

我が家のゴールデンハムスターの場合は、徐々に衰弱してから亡くなったため、明らかに寿命であったと推測されますが、直前までとくに何の兆候も見られず、急に寒くなったタイミングで体が冷たくなった状態で見つかった場合には、まずは疑似冬眠を疑ってみたほうが良いと思います。

通常の冬眠では、春になれば自然と目覚めるのに対して、疑似冬眠中のゴールデンハムスターをそのままにしてしまうと、目を覚ますことなく亡くなってしまうケースが多いようです。冬眠の準備もせずにいきなり疑似冬眠に突入してしまった場合は、短時間で命を落としてしまう危険性もありますので、気付いた時点で適切な対処をする必要があります。

冬眠中のゴールデンハムスターは途中で何度も覚醒する

人間がゴールデンハムスターをペットとして室内で飼う場合は、そもそも冬眠をさせる必要はありません。しかし、何らかの原因で急激な寒さに襲われてしまうと、何の冬支度もしていない状態から、いきなり冬眠状態に入ってしまうことも。

疑似冬眠の危険性について

冬眠前の準備段階を経ているかどうかが、ゴールデンハムスターの冬眠と疑似冬眠を隔てる大きな差だと言えます。

ゴールデンハムスターの体温は37℃前後とされています。他の種類と比べると多少暑さには強い反面、寒さにはとても弱い性質があり、秋から冬にかけて日が短くなり、気温が10℃以下に下がることで、その後2ヶ月近くをかけて冬眠に耐えうる体の準備をすることになります。

冬眠に入ってしまうと、深く眠っている間は体温がグッと低くなりますが、途中で一時的に目覚め、エサを食べてはまた深く眠るのを何度も繰り返し、やがて春を迎えるのです。

一方、疑似冬眠とは、人間でいうところの低体温症にあたる状態を指します。

低体温症という病名自体は、冬山で遭難した人のニュースなどで聞き覚えがある方も多いかと思いますが、寒さに体温を奪われるほどの過酷な状況下に置かれると、健康な人間でもやがて命を落とす可能性が高くなります。

疑似冬眠中のハムスターには、まさにこれと同じようなことが起こっていると推測されますので、できるだけ早く体を温めて、体温を上昇させる必要があるのです。

室温管理でゴールデンハムスターを擬似冬眠させない環境づくりを

たしかに、寒い時期に自らの活動を制限し、春まで体力を温存する冬眠という行為は、野生動物においてはとても理にかなっていると言えます。しかしこれはゴールデンハムスターに限らず、たとえきちんと準備をしてから冬眠に入ったところで、確実に命を落とさず元気に春を迎えられるとは限りません。そう考えると、真冬でも暖かい室内で飼われているゴールデンハムスターには、危険を犯してまでも冬眠をさせる理由はどこにもないのです。

冬眠をした場合としなかった場合で、その後の成長や寿命にどのような影響を与えるのかは、完全なるクローンのゴールデンハムスターでもいない限りはデータとして示すことは不可能ですが、少なくとも飼育上のリスクを減らすという観点においては、冬眠をさせない環境づくりが有効であることは間違いないでしょう。

寒暖差を考慮する

冬眠や疑似冬眠によるリスクを避けるためにできることの一つが、ケージ周辺の室温管理です。ケージの近くには温度計を設置して、室温が10℃を切るような場所には置かないようにします。どうしても朝晩の冷え込みが影響するような場所に置かなければならない場合は、ヒーターなどを使ってケージ全体を温めることで、寒さから身を守ってあげることが重要となります。

ゴールデンハムスターが快適に過ごせる室温は20℃前後だということを、しっかりと頭に入れておきましょう。

ゴールデンハムスターが疑似冬眠してしまった時の対処法

ゴールデンハムスターが疑似冬眠をしているかどうかの判断をするためには、次のようなことに気をつけながら観察してみましょう。

疑似冬眠かどうかを判断するポイント

まずは、全身をよく確認します。この時、目をぎゅっとつむっている場合は、疑似冬眠である可能性が高くなります。また、わずかながらも浅い呼吸をしていたり、体は冷たいものの、完全に全身が硬直している状態でなければ、さらに回復が期待できるでしょう。

ダメージを与えずに目覚めさせる方法

疑似冬眠が長引けば長引くほど、命が危険にさらされるとも言えますので、確認ができ次第、すぐに行動を開始します。

まずはエアコンやストーブなどで室温を上げておきます。次に、ハムスターを直接両方の手のひらで包むか、タオルなどにくるんだのち、体をさすりながら全身を暖めましょう。その後も、タオルで巻いた使い捨てカイロや湯たんぽを使って暖め続けることで、徐々に覚醒していきます。

ここで大切なのは、いきなりドライヤーの熱風で暖めたりしないことです。刺激を与えすぎないように、少しずつ暖めていきましょう。

疑似冬眠から覚めた直後は、ぬるめのミルクや砂糖を溶かしたぬるま湯を与え、慎重に観察してあげてください。

最愛のゴールデンハムスターと少しでも長く一緒に過ごすためのコツ

人間よりもはるかに寿命の短いゴールデンハムスターにとっては、生後2年で人間でいうところの60歳を迎えることになります。ハムスターの寿命を伸ばすコツとしては、日頃からの体調の確認と、環境を整えてあげることの両方を実践する必要があります。

体調の良し悪しは、食欲や活動量、毛並みの乱れ、排泄物の状態などから判断します。室温は20℃前後が理想ですので、季節によって調節が必要となります。ケージの中はこまめに掃除をし、その都度水換えも行いましょう。

小さくてコロンとした体と愛らしい表情で、私たちを和ませてくれるゴールデンハムスター。彼らとの生活は、健康で生きてくれていればこそ成り立つものです。少しでも長く一緒に暮らせるように、くれぐれも体調管理には気を配ってあげたいものですね。